シナリオ


主人公
弁護士
ナレーション
2人

<幕開け 照明〉
突然届いた一通の報せ・・・
あなたは、未来、何を決めるのか

〈音響開始〉
清々しい朝だなぁ〜、
今日は仕事もないし、だらけるぞ〜!!
朝刊、新聞皆同じ〜

<新聞をとる。そのとき何か落ちる(裁判員の通知)>
…ん?なんだろこれ・・・?
えっと・・・裁判所から!?
ああぁぁっっ……

<音響(効果音)変化・・・絶望的な笑>
生まれてこの方23年…
無事に大学を出て何にも特化していない事を取り柄に会社で細々と、
褒められもせず、くにもされずみんなにチキンと呼ばれ。
その名の通り金銭関係人間関係何においても
自慢の鳥肌センサーで全くない危険を避けてきた私に…
裁判所から手紙!!

<その場に崩れ落ちる>
ああぁ、いったい私が何をしたというのでしょうか?神よ!
鳥肌が気持ち悪かったのでしょうか?仏様!
鳥嫌いな人に恨まれたのでしょうか?シヴァ様!
あの空を自由に飛ぶチキンになりたい…。

<音響カラスの声>
カラス…おまえもか!!
<バッと上体を起こす>
うぉっっ
<しばらくの沈黙>
あはは…
あはは…
では、ごきげんよう〜〜
<またも通知を落とす。弁護士拾う>
あの、落ちましたよ?
えっ?あぁ!
これは…
違うんです!無実です!白ですモノクロです!それでも私はやってないんです!
はっ?
ですから、これは裁判所のミスで、
決して私は犯罪なんぞ…

これは、裁判員候補への呼出状ですよ。
へ?
これは裁判員制度に参加していただく候補になったので来てください、
という裁判所からのお知らせです。

逮捕状とか、家宅捜索状ではなく?
郵便で送るわけないじゃないですか…。
<音響カラスの声>
お見苦しいところを見せてすみません。
いえいえ、ひいただけなので大丈夫ですよ。
どこも大丈夫じゃない気がしますが・・・
これが裁判員制度のお知らせですか。

…興味がおありですか?
まさか自分に関係してくるなんて考えてなかったので、
興味よりも無関心に近いですかね・・・

そうですか。
裁判員制度なんて新聞とかテレビで聞く程度で、
どんな事件なのかぐらいしか気にしないし…。
よくわからない部分が多いですね。

…よければお教えしましょうか?
教えるって、…そういえばあなたは?
鳥肌が出ないから何も思わなかったのですが。

鳥肌ですか…、名乗らずにすみません。
私は○○○と言います。弁護士をしている者です。

弁護士さんでしたか!それで・・・、私は●●●と言います。
通知とかどうしたらいいかわからないので、
ぜひ教えてもらいたいです。お願いします。

こちらこそ、よろしくお願いします。
早速ですが、裁判員制度についてどんなことを知っていますか?

えっと、抽選で選ばれるのと義務であること…それから…?
そうですねぇ…こちらを見ていただきましょうか。
<音響照明(サイドサス)変化 パワポ起動>
まず、裁判員制度がどういう目的で作られたかですが、
「自由で公正な社会を実現できる国造り」を目標に、
今までほとんど無縁であった司法に国民が参加していけるよう導入されました。
また、とても長かった裁判期間を短縮する効果も期待されてます。

実際裁判ってどれくらいかかるんですか?
例外もありますが、最高裁判所のデータだと、
ほとんど六日以内には終わっています。

でも、裁判って上告とかすると二審三審と続くんですよね?
結構長い気が…。

いえ、裁判員が参加するのは一審のみですから、
呼ばれた裁判だけでいいんです。

へぇ〜
裁判員は地方裁判所ごとに管内の市町村の選挙管理委員会がくじで選んで名簿を作り、
その名簿に載った人物にお知らせが贈られるのです。
今のあなたのような感じですね。

抽選なんですよね?
はい、コンピュータによる抽選です。
希望してないのに呼ばれるなんてめんどくさいです〜。
ちゃんとした理由があれば辞退することもできますよ。
そうなんですか!!
えぇ、あなたは見たところ…30歳ほど…
23歳です。

それはすみませんでした。
どちらにしてもなりえませんが、
70歳以上のかたはそれだけの理由で辞退できます。

ななっ…、実は私永遠の23歳でこう見えて70歳...
化けものですか!
まぁ、他には、体調上の理由があったり。

持病の頭痛が…(お腹を押さえながら)
そこは腹痛ですが…、
もしくは仕事の重要な役人だとか

私、鳥肌カンパニーのからあげ部門で…
もういいです。
ともかくその他に

(パワーポイント内容)
私は無理ということですね…
辞退ができなくても、裁判所の方から意見をもとに外されることもあります。
なんだか複雑です。
こうして、70〜30〜6人と選抜された方が、裁判に参加します。
裁判でどのようなことをするかは、
高校くらいで学ぶので知っていますよね?

えっと、こんな感じでしたよね?(パワポを指す)
恐悦至極ながら、
わたくしナレーションが裁判員制度について
もう少し詳しくご説明さていただきます。
先ず、劇中で説明していない辞退理由について説明していきます。
1つ目は、過去五年以内に裁判員や検察審査員、
もしくは裁判員が途中で欠けて証拠調べをやり直すことを防ぐために必要とされる
補充裁判員になっていること。
2つ目は、三年以内に選任予定裁判員に選ばれた人。
ちなみに、選任予定裁判員とは、
裁判所が、ある犯人が複数の事件を起こし、
裁判員への負担を軽減するため分割して裁判すると決定した場合、
必要があるとした時に裁判員選任手続において、
分割することでできた一つの審判が終了した後に、
他の裁判ごとに裁判員や補充裁判員に選任された人のことです。
3つ目は裁判員候補者として過去一年以内に選ばれた人であること。
4つ目は検察官の不当な不起訴処分を抑制するためにある検察審査会に選ばれている人。
他には、介護、養育が必要である人、葬式に出席する人、
卒業式などの社会的に重要な出来事がある人、
学生、生徒である人、地方公共団体の議院であること。
仕事を理由とする裁判員の辞退の例としては、
裁判員としての職務に従事する期間が長く、本来の仕事に影響が出る時、
事業所への影響の規模、担当職についての代替性の有無、
予定される仕事の日時を変更できる可能性など、です。
裁判員の役割は、審理に立ち会うこと、
法廷での証拠のみから被告人の有罪無罪を評議、評決で話し合い判断すること、
判決に立ち会うことです。
また、評議、評決において、多数決の場合は裁判官と裁判員の一票の価値は同じですが、
裁判官1人以上が賛成していなければいけません。

でも、専門家じゃない人が裁判で人を裁くなんて、ちょっと抵抗があります。
いや、いい経験になるかなと思う事もありませんが…

いろいろ考える人もいるでしょうね。
これは、藤島高校の皆さんに協力してもらった裁判員制度へのアンケートです。

おお!私はあまり知らなかったけれど、知ってる人は多いですね。
学年が上がるとやっぱり知っている人が増えていますね。
3年生はあまり知らないと答えている人が多いけど、
よく知っていると答えている人も多いです。さすがですね!

次は、裁判員制度にどのような印象を持っているかです。
「責任が重そう」「難しそう」「近づきがたい」…
皆さん堅いイメージがあるようですね。
でもでも、これ見てください!
ほぼ半数ですが参加したい人の方が多いのですね。
おもしろい点はこれです。

文系と理系で変わるものなんですね。
法学関係で考えれば、興味がある人が文系に多いことは納得できる気がします。
理系の方は・・・

今からそれぞれの理由を見ていくのですから、フライングしないでください。
す、すみません。
では、まず参加したい方の理由です。

良い経験になりそうという人が多いですね。
義務だととらえている人は学年が高くなるにつれ増えているそうですよ。
へぇ〜、次は参加したくない理由ですね。
「大変そうだから」「人を裁く事に抵抗があるから」「判断が難しいと思うから」、
聞くところには専門家に任せるべきなどの声もあるそうです。

私も同じ意見です。
あなたは理系ですか?
いえ、文系です。それより次行きましょう次!
裁判が良くなったかについてですが…

肯定の声が多いことにホッとします。
私は何とも言えないです…
裁判員制度が導入される以前のことをしっかり知っている訳じゃないので…。

では、違いを知るためにちょっと前の裁判についてお話しましょうか。
簡潔にお願いします。
ちょっと前ですから大丈夫ですよ。
はぁ…
時は701年、藤原不比等らによりできた日本最古の法律、大宝律令は…
ちょっとぉぉぉおおおおおお!!?
なんですか、いいとこなのに・・・
どこがちょっとなの?最古ってなに最古って!
新しいことを知るには歴史を学ぶべきではありませんか!
TPOを考えてください。
フェニックスプラザで、文化祭で全体会の発表してるのに
そんな長い話したら、今袖にいる黒い鬼がすぐに舞台打ち切っちゃいますよ!!

ええぇぇ〜
<照明一気に暗くなる>
ごめんなさい!今すぐ次行きます!!
さぁ〜、裁判員制度の必要性ですね!
そうですね!前の質問より「はい」と答えた人が増えています。
「国民の感覚が反映されやすくなる」事はやはり大事だと考える人が多いですね。
裁判員制度の導入で裁判がより公正中立になることを期待する声も多いようです。
それに対し、逆効果になると考える人もいますね。
参加するかについてのアンケートでもありましたが、
責任や負担が重いと考える分、やはり専門家に任せるべきという声が多いです。
この結果から次のことを考えてみました。

このアンケートの結果から、
藤島高校では裁判員裁判に参加したいという人と参加したくないという人が
半々に分かれています。
参加したいという人は
「いい経験になりそう」「国民の義務だ」「裁判に興味がある」といった考えを、
そして参加したくない人は
「責任が重そう」「人を裁くことに抵抗がある」
「法律について詳しく知らないため、自信がない」「参加した後の人生に影響がありそう」
などの考えを持っているようです。
私たちは藤高生がどうしてこのような考えをもったのかということについて
社会の傾向やメディアとの関係という観点から考えてみました。
裁判員裁判に参加をしたいと思う背景には、
@私たち日本人は教育過程で、義務を果たすことの大切さを学ぶため、
国民としての意識が高いこと。
A特に若い世代に多いと思うのですが、
テレビドラマなどで俳優や女優が裁判に参加していて、裁判に対し、かっこいいイメージを持つこと
B事件内容やその犯人について報道されているのを見て、
その事件に対して自分の考えを持つようになり、その裁判に関わってみたいと思うことが考えられました。
裁判員裁判に参加したくないと思う背景には、
裁判員制度の詳しい内容について知る機会が少なく、
漠然としたイメージしか持っていないため
「自信が持てない」「人を裁くことに抵抗がある」「難しそう、大変そうだと思う」などの
堅苦しいイメージを持ってしまうことが考えられます。
よって、私たちが裁判を身近に感じられていない、感じようとしていないと考えられます。
つまり、私たちはもっと裁判員制度について知るべきである!ということです。
次の音声は、実際にインタビューした弁護士の方の言葉です。

〈インタビュー音声〉
広い視野を持って参加していただくことが大切なんですね!
では、実際に体験してみましょう!
〈照明、音響変化〉
〈生徒参加企画〉

では、最後にまとめです。
これまでアンケートを通し、
一般の人の意見は裁判員制度に対して良い印象がありますが、
実際参加することに関しては、
「難しい」や「責任が重い」などといった消極的なものが多くありました。
これらのプラス、マイナスイメージには、メディアが関係しており、
プラスはドラマのかっこよさから。
マイナスはニュースなどで伝えられる裁判の雰囲気が
近寄りがたいイメージを与えていると考えられます。
弁護士の方の話から分かった大切なことは、
メディアからの情報を丸のみするのではなく、
さまざまな視点や立場から事件を見つめ、 もし裁判員に選ばれたら、
普段から裁判員制度に関心を持ち詳しく知っておく、
さまざまな目で物事を見るよう心がける。
審査する際に自分の考えを持つことで、
自信を持って積極的に参加しましょう!

これであなたも裁判員になる心構えができたのではないですか?
確かに、裁判員制度についてのことはよくわかった気がしますが…
まだ何かわからないことでも?
そうじゃないです。
実際に裁判で証拠品を見たりするのが少し怖いんです。
血とか、死体とか夢に出そうで…。

確かに、そういったアフターケアに関しては、
これから考えていかなくてはいけない重要なことです。
今現在充実しているかと言われると答えづらいですが、
事前準備の段階でできる限りの考慮はしています。
直接の証拠写真を見せるのではなく、簡単なものにしたり、
絵で表したりしているんです。

そうですよね…なんだかチキンな私でも裁判員に参加する勇気が出てきた気がします。
そう言ってもらえて良かったです。
もしかしたら次は実際の裁判の場でお会いするかもしれませんね!
その時はよろしくお願いします。
こちらこそ、では、時間も来ているのでまたどこかで…。
はい、いろいろ教えていただきありがとうございました。
〈二人はける〉
〈ナレーションマイクを持って中央に登場〉

これで全体会の発表を終わります。
まだ調査しきれていない部分もありますが、
将来少しでも印象に残っているとうれしいです。
ありがとうございました!